手帖の切れ端

舞台作品の備忘録です.ライブ配信の視聴がメインですが,稀に劇場にも足を運びます.

書籍『TAKARAZUKA REVUE 2026』の感想

 宝塚歌劇団が毎年夏に刊行している『TAKARAZUKA REVUE 2026』通称「レビュー本」の2026年版を読んだ。レビュー本は2012年版から買ったり買わなかったりしているが,トップスターやトップ娘役の顔ぶれがだいぶ変わったなと思った年に買うようにしている。あとは,特に気に入ったページがある年とか。

 今年のレビュー本のテーマは「色」らしく,色に関するスターのインタビューや,組カラーに着想を得たトップ娘役のポートレートが掲載されている。

以下,感想。

・表紙

 2025年,2026年と2年連続で表紙の背景が白色&全身ショットと酷似しているので,買い間違えそうになった。

 

・「COLOR Harmony」トップコンビ+各組男役スター

 情報量が多く,まだ全て読めていない。雪組メンバーからの質問に対する朝美絢の回答が面白く切れ味が良い。

 

・「COLOR 色をまとって」トップ娘役のポートレート

 毎年楽しみにしているコーナーだが,今年のテーマは組カラーということで,だいぶシンプルだった。一昔前(仙名彩世や愛希れいかがトップだった頃)のレビュー本のポートレートは振袖を着て髪の毛は花結いだったり,リカちゃん人形とコラボしていたりと今よりも大がかりで挑戦的なポートレートだった。

 今年のポートレートは,花に囲まれし乙女の星空美咲と,爽やかなグリーンを背景にしたナチュラルな音彩唯は安定して綺麗だが,2人とも既に舞台や別の雑誌のポートレート等で何度か見たような雰囲気だ。というより,組の顔であるトップ娘役は自分の組のイメージカラーの衣装や私服をよく着ているので,組カラーという題材自体マンネリなのでは。と,元も子も無いことを思った。あえて普段は纏わないような色をテーマにビジュアルを作った方が面白そうだ。

 そのマンネリの中でも,1番引き込まれたのは天紫珠李のダークでアダルトなポートレートだった。大人っぽいシルエットの黄色のロングドレスのシンプルさと,存在感のあるネックレスと,大作りというか華やかな顔立ちとのバランスが絶妙に良い。反対に,このコーナーの詩ちづるはもう少し目元のお化粧が濃い方が綺麗に見える気がする。それとも,ページの順番に星空,天紫,音彩と濃厚なお顔立ちを見た後だから,余計にそう感じるのだろうか。

 それと,各組トップスターがイメージする相手役(トップ娘役)の色を3人が「黄色」と高確率で答えていたのが意外だった。

 

・「Talk about 私の色々」

 ベテランスターさんにも定年はあるのだろうか。2025年版まで登場していた夢奈瑠音は今年のレビュー本への掲載は無し。

 

・演出家スペシャルインタビュー

 今年は小池修一郎(研50)。昨年は若手演出家3名(指田珠子,竹田悠一郎,栗田優香)だった。インタビューの主な内容は海外ミュージカルの潤色と演出について。今年は『ポーの一族』に『エリザベート』と小池氏が大活躍されておる。

 

・TALK to TALK 各組娘役スターの対談・てい談

 そういえば,今年のレビュー本にはトップ以外の娘役はポートレートに登場していなかった。

 

 

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宝塚花組『EXCITER!!2026』ハバナの感想 2026年7月【ライブ配信】

 引き続き宝塚歌劇団花組公演『EXCITER!!2026』の感想。

宝塚花組『EXCITER!!2026』衣装に関する感想【ライブ配信】2026年7月 - 手帖の切れ端

 

 過去の『EXCITER!!』シリーズから今回の『EXCITER!!2026』への主な変更点はチェンジボックスのストーリーとフィナーレだった。これは『歌劇』の藤井氏のインタビュー記事通り。これらの場面と比べるとマイナーチェンジかもしれないが,ハバナの場面(正式名称は「Life Exciter!!―命の革命―」)の印象は前作までと大きく変わった。

 『EXCITER!!2026』のハバナでは,ハバナキング(一之瀬航季)が主役に見えた。そして,ストーリーはほとんど変わっていないのに,よりドラマチックになった気がする。

 

・冒頭の太鼓の音楽に合わせたダンスがハバナクイーンとキングのデュエットダンス風に変更された。

 初演(2009年)は太鼓の音楽は無く,代わりにゆったりとしたメロディーのハバナの男女の歌がある。その後クイーンとキングが大勢の男女を引き連れて「燃え滾る火のようなー♪」という歌に合わせ踊る(ここは毎回ある)。

 2010年から,太鼓の音楽に合わせたハバナクイーン(蘭乃はな)のソロダンス風になり,2017年(仙名彩世),2018年(舞空瞳)にも引き継がれる。クイーン役の蘭乃,仙名,舞空がいずれも名ダンサーとして知られた娘役で,大きな見せ場の1つになっていたと思う。

 2026年は,太鼓の音楽に合わせクイーン(星空美咲)とキング(一之瀬航季)がペアで踊る。照明が付くと,夕日に照らされるように2人の後ろ姿が現れて圧倒される。

 ハバナの冒頭がクイーンとキングのデュエットダンス(ペアダンス)風に変わったことで,この2人のペア感が増した。極自然にペアダンスが踊れるくらい気心知れた仲なんだろうなと関係性が見える。反対に,人々を物色した後,遅れて入ってくるダンディ(聖乃あすか)の存在が,この2人にとっては「ポッと出た色男」としてキャラクターの位置づけが明確になった。(ダンディのダンスが雄々しくて好み。)

 ここ,2018年までは,ダンディが現れるまでのキングとの絡みが少ないため,クイーンにとっては,キング=先に出会った男,ダンディ=後に出会った男,くらいの存在に見えた。

 

・クイーンが(良く言えば)主体的

 2018年までは,純粋無垢なクイーンをダンディが奪うように見えたが,2026年版は小悪魔チックなクイーンの方からダンディに微笑みかけたり,ちょろちょろ見たりとちょっかいを出していた。クイーンとダンディ双方が浮気に乗り気。2026年版のキングが大らかなのを良いことに…。

 そう,今回のキングはモラハラ感がなく,最初にクイーンをダンディから遠ざけようとする時でさえ,ダンディにもあくまでも紳士的に振舞っていた。だからこそ,優しいキングを殺人未遂を犯すまで傷つけたクイーンの悪女としての性質が際立っていた。そして,星空美咲はこういう小悪魔チックな役が似合うなと思った(誉め言葉)。『激情』のカルメンや『EL DESEO』のボスの女のデジャヴュ。上述の2作品のように,クイーンが嫉妬に狂ったキングに刺殺されるかと思ったが,さすがにハバナのストーリー上そうはならなかった。というより,裏切ったクイーンではなく,その相手の男を刺すのか…。

 

・キングの持ち出した刃物がダンディに奪われる。

 ここは2018年版からの変更だったと思う。確かに,2018年(水美舞斗)と2026年のダンディは俊敏に刃物を奪ってやり返せそうだ。

 クイーンとダンディの逢引きや,切りかかったり刃先をよけたりするダンディVSキングの戦いをもっとじっくりと見たかったが,ライブ配信では,じっと見ているだけの旅人(永久輝せあ)がやたらと映されていたような…。劇場で観劇するまでのお楽しみとしておこう。

 ハバナの残念なところは,最もラテンのダンスが似合いそうな永久輝せあが旅人役なので全く踊らない点に尽きる。

 

・旅人がダンディから奪った刃物を地面に突き立てる。

 2010年までは,旅人が刃物を放り捨てていたが,2017年から地面に刃物を突き立てるようになった。その後,旅人が刃物を持ち主(キング)に返すのだが(なぜ),これは今までもそうだったのか?返したら危ないのでは…。

 通して見ると,幸せが一転,恋人の様子に不安を覚え,彼女に裏切られ,嫉妬し,怒り人を殺めようとするも,旅人に救われ心が浄化される…というハバナ感情の変化が丁寧に表現されている。やはり,「命の革命」とはキングの物語だな。

 

その他,

・アンサンブルの運動量が凄い。

・ダンディVSキングで刺し合っているときに,喧嘩を止めようとしている娘役の声は誰の声?湖華詩?←要確認

・美羽愛だと思っていた娘役は三空凜花だった。公演プログラム掲載の顔写真が双子かと思うくらいそっくり。

・シボネーの衣装の一之瀬・星空ペアで踊っているものだから,2023年全国ツアー公演『GRAND MIRAGE!』で一之瀬航季が星空美咲を右肩に乗せて歩くリフトを思い出した。あれ以上にインパクトのあるリフトを私は知らない。

 

shop.tca-pictures.net

↑なんと,『EXCITER!!』Blu-ray BOXが発売されるらしい。初演から2026年版までの全『EXCITER!!』を全編収録!なお,これはアフィリエイトではない。

 

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宝塚花組『EXCITER!!2026』衣装に関する感想【ライブ配信】2026年7月

 ライブ配信で宝塚歌劇団花組全国ツアー公演,スパークリング・ショー『EXCITER!!2026』(作・演出/藤井 大介)を視聴した。『EXCITER!!』は2009年初演(主演:真飛聖,桜乃彩音),2010年に真飛聖,蘭乃はな主演で再演され,その後,全国ツアー公演として,2017年に『EXCITER‼︎2017』(主演:明日海りお,仙名彩世),2018年に『EXCITER‼︎2018』(主演:柚香光)が上演され,今回の『EXCITER!!2026』(主演:永久輝せあ,星空美咲)が4度目の再演(5度目の上演)となる。

『外伝 ベルサイユのばら −アンドレ編−』『EXCITER!!』 | 花組 | 東京宝塚劇場 | 宝塚歌劇 | 公式HP

『麗しのサブリナ』『EXCITER!!』 | 花組 | 宝塚大劇場 | 宝塚歌劇 | 公式HP

花組公演 『仮面のロマネスク』『EXCITER!!2017』 | 宝塚歌劇公式ホームページ

花組公演 『メランコリック・ジゴロ』『EXCITER!!2018』 | 宝塚歌劇公式ホームページ

 いずれも花組での上演で,いつしか花組の伝統的なショー作品のようになってしまったが,この作品自体は他のショー作品と比べてとてつもなく素晴らしいかといえば,そんなことはないと思う。ただ,『EXCITER!!』はショーとしては,古風過ぎず,かといって今めかしな軽薄さや淡泊さはなく,「夢の世界の見世物」として程よい中毒性があるのだと思う。来月,劇場で観たらまた印象が変わるかもしれないけれど。

kageki.hankyu.co.jp

 

 以下,雑な感想。主に衣装について。

・プロローグの娘役の衣装がスタイリッシュに変わっていた

 今回の再演で全体的に衣装が新調されていた。いずれも素敵だった。今回の衣装担当は加藤真美。『EXCITER‼︎2018』までのプロローグの娘役の衣装は娘役が太く低身長に見えて苦手だった。スカートのフリルの開始位置が腰より低いから胴長短足に見え,さらに光沢の少ない無地の生地が身体を平面的かつ横長に見せて,実際よりプロポーションが悪く見えたのだと思う。(トップ娘役の衣装はスパンコールのお陰で,その他の娘役より身体が立体的に見え,多少はましだったが…。)

 今回の娘役の衣装はアシンメトリーというのか斜めのラインを多用し,スカートの開始位置も片方を上げていたため,胴体はコンパクトに,脚は長く見えた。スカートのボリュームも横方向に出ないようになっていた気がする。今回に限らず,加藤真美の衣装は安定して,着る人をよりスタイリッシュに見せている気がする。

 

・チェンジボックス

 TOKO-BOY(Before)の衣装のモチーフはペンギン。つなぎにベルトを3本くらい絞めていた。TOKO-BOY(After)の背中にもぎらついたペンギンがいた。毎度,Afterがイケてるんだか,ダサいんだか。

 

・ハバナ

 2023年花組公演『GRAND MIRAGE!』(作・演出/岡田 敬二)のシボネーの衣装が使われていた。ハバナダンディが濃い青色のブラウス(永久輝せあが着ていた),その他の男役は水色のブラウス。ハバナキングもその他の男役と同じ水色なので,遠目では見分けがつきにくいと思う。同じ形の薄紫色ブラウス(聖乃あすかが着用していた)もあるはずなので,それを今回も使えば良かったのに。娘役もクイーン以外は全員シボネーの水色の短いフリフリワンピース。

 ハバナクイーンの白いドレスは今回は新調された短めのドレスだった。腰に巻いたバンダナは健在だったが,これまでのエメラルドグリーンではなく,青色に変わっていた。同じ青色のバンダナをヘッドドレスにも使っていて可愛らしかった。

 ハバナの場面,大まかなストーリーは同じだが,冒頭のダンスやキングVSダンディの結末,ラストシーンなど上演ごとに若干変わっているので,過去作と比較しながら見ると楽しそうだ。

 

スパークリング・ショー
『EXCITER!!2026』
作・演出/藤井 大介   


刺激、熱狂、興奮をもたらす者“EXCITER”。ありふれた人生も、ちょっとした刺激、スパイスでバラ色に輝く。“音の革命”“美の革命”“男の革命”…。愛と夢を現代社会に送り届ける宝塚こそ“EXCITER”であるという軸の上に、究極に格好良い場面で構成されたエネルギッシュなショー作品。
2009年の真飛聖主演の花組公演が大好評を博し翌年再演。2017年には明日海りお主演、2018年には柚香光主演の全国ツアー公演として再演を重ねた人気作です。永久輝せあを中心とした花組の魅力を最大限に引き出し、客席を熱狂の渦に巻き込む『EXCITER!!』の待望の復活をお見逃しなく!   

【キャスト】

【花組】永久輝 せあ    紅羽 真希    峰果 とわ    凛乃 しづか    高峰 潤
聖乃 あすか    一之瀬 航季    龍季 澪    涼香 希南    三空 凜花
希波 らいと    詩希 すみれ    颯美 汐紗    天城 れいん    美羽 愛
珀斗 星来    星空 美咲    稀奈 ゆい    湖華 詩(※)    鏡 星珠
真澄 ゆかり    慧那 まや    瀬七波 いろ    華波 侑希    花海 凛(※)
滝 みらい    美翠 せいら    風白 ルイ    咲葉 えめ    彩葉 ゆめ
凛 航瑠    遥花 なな    ゆるか 舞桜          
【専科】    高翔 みず希    凛城 きら

※湖華詩は、7月28日(火)12時公演より『マジシャンの憂鬱』のS13、『EXCITER!!2026』のS21Bを部分休演いたします。(復帰時期未定)
※花海凛は、7月22日(水)15時公演より『マジシャンの憂鬱』のS13、『EXCITER!!2026』のS18~20、S21Bを部分休演いたします。(復帰時期未定)

花組公演 『マジシャンの憂鬱』『EXCITER!!2026』 | 宝塚歌劇公式ホームページ

 

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宝塚花組・東京『悪魔城ドラキュラ』~月下の覚醒~ 2025年9月

 こんな下書きが1年近く眠っていたので,推敲もせずに投稿する。

以下,永い眠りから目覚めた下書き。

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 大劇場公演に続いて,宝塚歌劇団花組 『悪魔城ドラキュラ』~月下の覚醒~ の東京公演も観劇した。大劇場公演で「旅を終わらせたくなかった」ので…。

 

【今年6〜7月の宝塚大劇場公演版からの変更点】

・オルロックが倒されたと知った後の暗黒神官シャフトの台詞が追加された。

「オルロック卿が修道院に潜伏していた目的は,ベルモンドの娘マリアをヴァンパイア化すること(要約)」とオルロックの役割を説明する台詞が増えていた。オルロックはアルカードに倒されたが,彼は役割を果たしたので勝ち誇ったように笑って死ぬのだ。

 ヴァンパイアのボスらにはそれぞれ担当のような制度があって,1ベルモンドにつき1人(1頭?)のボスが付き,操って味方に引き入れようとしていたのだろうか。リヒターの担当がシャフトでマリアの担当がオルロックというように。

 オルロックはマリアが修道院に居候していると知って,本物の神父を殺すか監禁するかして,神父になりすましたのだと想像している。偽神父は修道女やマリアからも信用されているようだったので,いきなり新たな神父が来たという設定よりも本物そっくりの姿になりすましている方がしっくりとくる。

 オルロック戦の後,偽神父(オルロック)が行方不明になり,修道女たちが彼を探したところ,修道院の地下に監禁されていた本物の神父が発見された…とか。神父からオルロックというヴァンパイアに閉じ込められていたのだと聞かされた修道女たちは,冷たく追い払ってしまったアルカードへの罪の意識を…持っていてほしい。

 

・マリアの前髪が変わっていた

 マリアの前髪は大劇場版では細い束が額にかかり,綺麗ながらもワイルドな雰囲気があったが,東京公演では細い束を垂らさず,全ての前髪を立ち上げてから横に流すような,よく見る娘役の髪型だった。大劇場版の前髪の方が好みだった。

 

・マグヌスの「俺も行こう」という台詞が追加された。

 サキュバスがアルカード退治を命じられたときの「俺も行こう」という台詞は大劇場版ではリヒターだけが言っていたが,東京版ではマグヌスもリヒターとほぼ同時に言うようになった。ただ,リヒターの声にかき消され,マグヌスは留守番となる流れは変わらない。

 

・アルカードが床に投げ捨てた剣に効果音が入った

 大劇場版では,投げ捨てられた剣が床に叩きつけらときに自然と出る「ペチン」という音がいかにも小道具という感じがして残念だったので,この変更は良かった。大きすぎるくらいの「ガシャン」という金属音が入っていた。

 しかしそうなると,剣を投げ捨てる前の,ドラキュラがアルカードの剣を払い落とす場面の音が「ペチン」のまま変わっていないことへの違和感が際立つ。こちらも,「ガシャン」という効果音を入れたら良いのに。

 

【東京公演を見て新たに気づいたこと】

・4分割されたLEDパネルが状況を分かりづらくしている。

 大劇場版を初めて見たときに,空飛ぶマリアが落下した原因はアルカードが落としたからだと勘違いしていた。本当はマリアが掴まっていたのは聖獣の朱雀で,オルロックに噛まれた傷が痛んで朱雀から手を離してしまったからなのだが,4分割したパネルのせいで,そのように見えなくなっている。勿論,最初の映像でマリアが朱雀に掴まって飛んでいる映像は流れるが,次の映像で中央のパネル2枚にアルカードとマリアが別々に映り,マリアの手元の朱雀が映っていないため,最初の一瞬の映像を見逃した観客が,この映っていない箇所を脳内で無理に繋ぎ合わせようとすると,マリアがアルカードに掴まっているように見える。だから,アルカードがマリアを落としたと誤解するのだ。

 この飛行シーンは小窓のような分割パネルではなく,より大きな画面で全貌が見えるようにした方がよかった。それに,この場面以外の戦闘シーンも大画面の方が迫力が出たと思う。なぜ小窓にしたのだろうか。

 それと,このパネルはもう少し位置を下げないと,2階席の客には見えない。2階席後方のA席,B席では一部視界が遮られるのはチケットの値段相応で仕方がないとは思うが,1階S席と同額の2階S席2列目センターブロックからもパネルの上端が見切れているのは問題だろう。2階2列目からパネルが見えにくい場面を具体的に挙げると,サキュバス戦の向かって右側のパネル上端とシャフト戦の中央2枚のパネル上端。この2場面は他の場面より中央のパネルの位置がやや高い。

 それでも,客席降り演出により,2階席からは話の結末が分からなかった『エンジェリックライ』よりはましである。「2階席の客は客でない」と言わんばかりの酷い演出だった。

 2階席前方センターブロックは舞台との距離が近く感じ,オペラグラス無しに演者の表情が分かり,さらに,前の座席との段差もしっかりあって見やすく本来は好きな席だ。しかし,このような見切れ問題が発生するなら,今後は後方であっても1階席を狙った方が良いのかもしれない。

 

・そしてこのLEDパネルの存在感が強すぎる。

 LEDパネルがメインキャストかと思うくらい多用される。特に戦闘シーンでは,オルロック戦とドラキュラ戦以外ではこのパネルが出てきて,アルカードは主にLEDパネルに映し出された映像と戦っているのだ。勿論,アルカードはボス役の演者とも少しは戦っているが…。反対に,アルカードと剣を交えて対等にかつ本格的に戦っているのはドラキュラだけではなかろうか。 

 

・村人との場面とその他の場面では,マリアの靴が違う。

 村人と話しているときに履いている靴は黒い編み上げパンプス?で,その他の場面で履いているのが原画と同じ茶色のローファーのような靴。村人と踊って外套がふわっと広がったときに足元が見えた。

 

・マグヌスが先にやられても,サキュバスは「マグヌスの仇!」とは言わないだろう。

 悪役といえば,プロローグで悪役5人(ドラキュラ伯爵,デス,暗黒神官シャフト,サキュバス,マグヌス)が横並びで大階段から降りてくる場面が最もわくわくする。降りてくるとお立ち台の上に5人並んで立つ。

 

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 東京劇場は周辺に他の劇場もあって観劇をハシゴするには便利な立地だが,ビル型の劇場内の構造があまり好きでない。ロビーや客席までの動線に空間的余裕のある宝塚市の大劇場の方が建物としては好みだ。

 

↓ミュージカル・ロマン『悪魔城ドラキュラ』~月下の覚醒~本公演の感想文

宝塚花組『悪魔城ドラキュラ』 ~月下の覚醒~ 2025年6月 初観劇後の雑な感想 - 手帖の切れ端

宝塚花組『悪魔城ドラキュラ』 ~月下の覚醒~ 2025年6月 場面別の感想Ⅰ(序~第7場) - 手帖の切れ端

宝塚花組『悪魔城ドラキュラ』 ~月下の覚醒~ 2025年6月 場面別の感想Ⅱ(第8場~第11場) - 手帖の切れ端

↓新人公演の感想文

宝塚花組新人公演「悪魔城ドラキュラ」2025年7月 - 手帖の切れ端

 

ミュージカル・ロマン
『悪魔城ドラキュラ』
~月下の覚醒~
原作/株式会社コナミデジタルエンタテインメント 「悪魔城ドラキュラ」シリーズ
脚本・演出/鈴木 圭 

【主な配役】     ()は新人公演の配役
アルカード(アドリアン・ファーレンハイツ・ツェペシュ): 永久輝 せあ        (夏希 真斗)
マリア・ラーネッド:星空 美咲        (彩葉 ゆめ)
ジゼル・ブランシェ :五峰 亜季        (湖春 ひめ花)
ドラキュラ・ヴラド・ツェペシュ:輝月 ゆうま        (鏡 星珠)
マザー・フルーラ :美風 舞良        (湖華 詩)
デス:紫門 ゆりや        (纏 涼)
マクシミリアン・ロベスピエール:羽立 光来        (滝 みらい)
使い魔:紅羽 真希        (光稀 れん)
コウモリA/渡守 :紅羽 真希        
神官シャフト(公演プログラムでは「暗黒神官シャフト」):峰果 とわ        (美空 真瑠)
修道女/聖獣(玄武):凛乃 しづか        
パンナ・ベルジェ:高峰 潤       (慧那 まや)
魔物女:糸月 雪羽        
リヒター・ベルモンド:聖乃 あすか        (宇咲 瞬)
神父/オルロック:一之瀬 航季        (月翔 きら)
魔物男/ナレーター:和 礼彩        
魔物女:咲乃 深音        
魔物男:愛乃 一真        
魔物男:龍季 澪        
コウモリA:翼 杏寿        
サキュバス:侑輝 大弥        (遼 美来)
魔物男:太凰 旬        
修道女/聖獣(朱雀):鈴美梛 なつ紀        
リナ・ブランシェ:三空 凜花       (花海 凛)
コウモリ:南音 あきら        
リサ・ツェペシュ:朝葉 ことの        (七彩 はづき)
コウモリ:涼葉 まれ        
マグヌス:希波 らいと        (月世 麗)
魔物女:詩希 すみれ        
コウモリ:海叶 あさひ        
修道女:琴美 くらら        
コウモリA:天城 れいん        
アネット・ラーネッド:美羽 愛        (真澄 ゆかり)
コウモリA:美空 真瑠        
魔物男:夏希 真斗        
リディ・ベルジェ:初音 夢        (優花 りら)
アネット(少女時代):美遥 あゆ        (翠笙 芹南)
魔物女:七彩 はづき        
マリア(少女時代):常和 紅葉        (咲葉 えめ)
アルカード(少年時代):翠笙 芹南        (風美 はる帆)
半妖精:彩葉 ゆめ        (初音 夢)
(新人公演)コウモリA :伶愛輝 みら,希蘭 るね,華波 侑希,風美 はる帆
(新人公演)修道女:星空 美咲,咲良 さき,常和 紅葉,華路 らら,花綺 ちさと,七香 美海
(新人公演)魔物女:稀奈 ゆい,初音 夢,美遥 あゆ,花海 凛,美翠 せいら,翠笙 芹南
(新人公演)魔物男:伶愛輝 みら,慧那 まや,希蘭 るね,瀬七波 いろ,華波 侑希,輝涼 じゅん,風白 ルイ,凛 航瑠

(下記のサイトと公演プログラムより引用)

花組公演 『悪魔城ドラキュラ』『愛, Love Revue!』 | 宝塚歌劇公式ホームページ

 

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マグヌスがご登場と噂のドラマCD…。

宝塚月組2020年版『赤と黒』を視聴

 かなり前に,スカイステージで放送の月組2020年版『赤と黒』(珠城りょう・美園さくら主演)を録画していたことに気づき,次回の花組公演の予習(といっても配信を見られるか分からんが)と思ってようやく視聴した。録画すると安心して見ないものだけれど,興味のある番組は容量の限り録画しておくもんやね。

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 主な感想は3点

 1. メインキャラクターが心情を「心の声」or歌でもれなく表現するため,1回見ただけで作品を理解しやすい。その反面,台詞無き細かい演技などは控え目,かつ話の構成もシンプルであるため,複数回視聴することで新たな発見や解釈が生じる予感がしない。

 2. 歌が耳に残らない。強いて言えば主題歌の「♬ルージュエノワーーーーール」の響きを何となく覚えている程度。

 3. 『夢千鳥』ほどではないが,フィナーレが比較的長い。男役1名による歌唱→男女のデュエットダンス→娘役群舞→男役群舞→トップコンビのデュエットダンス

 

 『赤と黒』に嵌るかは,主人公ジュリアン・ソレル(珠城りょう)に観客がどの程度好感を持てるかにかかっているように思う。ジュリアンは悪党に振り切ってはいないが,純粋に好青年というわけでもなく,野心家で自分の願望に正直に行動するがゆえに,結果周りを不幸にしている。それで彼自身が破滅し,終いには死刑が言い渡されても,同情できず「そりゃそうなるわ」と無感情に見てしまう。月組版珠城ジュリアンの最期を見て,ギリギリ彼に心を寄せられるかどうかという感じだった。次回の花組版ジュリアン(侑輝大弥)はどうだろうか。ポスターの侑輝ジュリアンはやたらと耽美で魅力的だが。

 それでも,貧乏人からの成り上がりというストーリーは,その手の物語はありふれているにしても我が事のようにのめり込んで見てしまう。貧乏人が成り上がってそのまま豊かに幸せに暮らしましたとさ,という話はほとんどないのが寂しくはあるが。どれだけ好感を持ち難い主人公であっても,やはり終始ジュリアンを軸に物語を見ている自分は,どう考えても貴族側や富豪側ではなく,庶民側・貧乏側の人間なのだ。

 珠城りょうはこの役を演じた時点でトップスターとしての任期の終わりの方だったが,実際には若い娘役が演じている年上のレナール夫人(美園さくら)に対しても,より若々しさ,青臭さが滲み出ていて,芸歴が上がっても消えずに残ったこの男役の持ち味の1つだったのだと思えた。

 物語の重要人物にレナール夫人とマチルド(天紫珠李)という2人の貴族の女性がおり,ジュリアンは出世のための駒として彼女らを利用しつつ最後には彼女らを本気で愛するようになる。愛するようになったきっかけはレナール夫人に対しては,おそらく,ジュリアンが崇拝するナポレオンを夫人も認めた瞬間から,マチルドに対しては,傲慢な彼女が膝を屈し,ジュリアンに自分を愛してほしいと懇願した瞬間からだろうか。

 フーケとコラゾフは花組版ではそれぞれ別の役者が演じるが,2020年月組版では月城かなとが1人2役を演じている。この2役は出番が少ないので男役のNo.2が両方演じるくらいが出番の量としては丁度良かったのだろう。

 他のキャストは,エリザ(きよら羽龍)の声が綺麗で,サン・ジャン(大楠てら)が他の男役より頭半分くらい高身長で目立っていた。

ミュージカル・ロマン

『赤と黒』 -原作 スタンダール-
脚本/柴田 侑宏
演出/中村 暁

フランスの文豪スタンダールの長編小説「赤と黒」を原作に、柴田侑宏が書き下ろしたドラマティックなミュージカル作品。1975年月組・大滝子主演で『恋こそ我がいのち』(東京公演より『赤と黒』)として初演、1989年には月組・涼風真世主演のバウホール公演として改編を行い、2008年には星組・安蘭けい主演のシアター・ドラマシティ公演として再演され、いずれも好評を博しました。ナポレオン失脚後の復古王政下のフランスを舞台に、恋と野望に彩られたジュリアン・ソレルの波瀾の人生を描いた物語が、月組トップコンビのために新たに追加されたフィナーレとともに、2年ぶりの名古屋での公演として、装い新たな御園座の舞台に鮮やかに甦ります。 

【キャスト】

ジュリアン・ソレル:    珠城 りょう
レナール夫人:    美園 さくら
フーケ/コラゾフ公爵:    月城 かなと
ラ・モール公爵:    一樹 千尋
ピラール神父:    夏美 よう
サン・クレール夫人:    夏月 都
ヴァルノ:    千海 華蘭
ヴァランタン夫人:    香咲 蘭
レナール:    輝月 ゆうま
デルヴィール夫人:    晴音 アキ
ノルベール伯爵:    夢奈 瑠音
シェラン司祭: 颯希 有翔
クロワズノワ侯爵:    蓮 つかさ
ナピエ大司教:    周旺 真広
フリレール副司教:    蒼真 せれん
ベルジェ夫人:    桃歌 雪
アドルフ: 夏風 季々
ラパン:    空城 ゆう
マチルド: 天紫 珠李
ラ・ジュマート男爵: 礼華 はる
フェルバック元帥夫人: 結愛 かれん
看守:    甲海 夏帆
貴族女: 天愛 るりあ
サン・ジャン:    大楠 てら
スタニスラス:    白河 りり
貴族男:    彩路 ゆりか
マリアンヌ:    羽音 みか
門番: 瑠皇 りあ
貴族女: まのあ 澪
貴族女: あまの 輝耶
エリザ:    きよら 羽龍
貴族男:    真弘 蓮
貴族女:    咲彩 いちご
ミリアム:    美海 そら
貴族男:    一羽 萌瑠
貴族男: 夏凪 せいあ

月組公演 『赤と黒』 | 宝塚歌劇公式ホームページ

 

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ディナーコンサートの料理 2024年12月

 美味しい料理の写真を見たくなったので,このような記事を書くのだ。

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以下,2024年12月の美穂圭子ディナーコンサートの料理。ほぼ出された順に掲載。

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 カクテルはノンアルコールとアルコール有りの2種類から選べた。料理はレンズ豆のキッシュなるものが美味しかった。

 このディナーコンサートから約一年半経った2026年5月20日,宝塚歌劇団専科の美穂圭子が 同年10月25日に雪組公演『ポーの一族』をもって退団することが発表された。

 私が人生で初めて観た宝塚歌劇の舞台に出演していたキャストのうち現在も在団している人は,彼女を含めて片手で数えるほどになってしまった。自身の初観劇後の感想の1つが「物凄く歌が上手くて神々しい人がいた」というものだったので,美穂圭子が当該公演に出演していなければ,宝塚歌劇にここまで惹かれなかったかもしれないし,現在まで飽きずに細々と少女歌劇のファンを続けていなかったかもしれない。

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宝塚花組 『EL DESEO』 雑な感想 2026年3月

スパイシー・ショー『EL DESEO(エル・デセーオ)』(作・演出/指田 珠子)を観た。このショーは自分の好みに嵌まらなかったが,印象的な場面が続くので観劇後もしっかりと記憶に残った。

 

 

以下,雑な感想

 

・花組フィナーレのトップコンビのデュエットダンス(自由形),ほとんど踊らず,耳元で囁いたり,膝枕したまま歌ったり…と,とにかくいちゃついていた記憶が…。それも振りの一種なんやろうか。

 

・デュエットダンスといえば,マフィアの場面でトップスターと組んで踊っているオレンジ色のドレスの娘役(凛乃しずか)が良かった。それと,金髪ショートヘアの娘役(朝葉ことの?)も。

当然のように永久輝せあのタンゴが絶品。この場面,男役の顔の上半分は帽子で隠れて見えないのに手脚の軌道で永久輝せあだと分かる。

 マフィアのボス役は芝居が巧い。腰痛めて踊れなかったり,ボスの女と戯れていたり。反面,女の裏切りに気づいた時の冷酷さには背筋がゾワッとする。それと,タバコの火が灯ったら,反対側に人の顔が赤く浮かび上がる演出も怖い。一瞬ホラー映画のようだった。

 

・中詰のメキシコの死者の日の衣装が,これまでの宝塚歌劇であまり見たことがないようなカラフルな色合わせだった。モチーフも骸骨,マリーゴールド,ハート,蝶々などの組み合わせでインパクトが強い。

 死者の日のイベントはアメリカで見たことがある。本場のメキシコではどうか知らないが,物悲しさはあまりなく賑やかで,ダンスもあって,日本のお盆や盆踊りに通じる雰囲気があった。死者の日のイベント会場には,お盆のお棚のような祭壇(オフレンダ)もあって色々と見させてもらった。その祭壇の装飾花のメインがマリーゴールドだった。

 

・中詰後のリメンバーミーの場面,銀橋下手の男役のソロ歌唱がカスカスやった。芝居の台詞はよく通る人なので,高音域の歌だけ苦手なんやろうか。

 リメンバーミーは退団者の鈴美梛なつ紀,湖春 ひめ花が本舞台でピックアップされる場面でもある。鈴美梛なつ紀はダンサーの印象が強かったが,歌も上手いことを併演の『蒼月抄』のソロ歌唱で初めて知った。そして,湖春ひめ花が次回作『エリザベート』の新人公演に出演しないことが残念だ。彼女のゾフィーを想像してわくわくしていたので。

 リメンバーミーの最初の方は巨大な骸骨人形を演者が動かして骸骨の手を振っていた。

 

・エル・クンバンチェロ冒頭の星空美咲の歌声がフルートの音色のようだった。声が透き通りすぎて人間の声とは直ぐに気づかなかった。

 

・フィナーレ,男役の群舞の後半に娘役が加わる。が,男役と娘役が最後の決めポーズしか絡まないのが勿体無い。曲や振りは好み。

 

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