手帖の切れ端

舞台作品の備忘録です.ライブ配信の視聴がメインですが,稀に劇場にも足を運びます.

美穂圭子 35年Anniversaryコンサート「Dear My Home」-あなたに贈る物語- 2024年12月

 宝塚ホテルへ美穂圭子 35年Anniversaryコンサート「Dear My Home」-あなたに贈る物語-を聴きに行った.前半でディナーをいただき,後半にコンサートを聴くという構成だった.

 舞台の装置(装飾?)は大きな貝殻が中央にあり,回りに海の波を表現したような布,真珠を表現したような電飾があしらわれていた.アフロディーテのようだなどと思っていたら,「ODYSSEY」のティティスの館という設定と説明があった.美穂の衣装はそのティティスのダークグリーンの衣装+ティアラ,赤色系のファーを付けた衣装,金色か白色?のドレスなどだった.

 

コンサートのセットリスト

Ⅰ・PROLOGUE

序曲(Overture)

SUNSET MOONRISE(「ODYSSEY」より)

誰の「物語」か~あなたの「物語」(「ランスロット」より)

Ⅱ・SNOW TROUPE MEDLEY

パラダイス・トロピカーナ(「パラダイス・トロピカーナ」より)

スイート・タイフーン(「スイート・タイフーン」より)

サジタリウス(「サジタリウス」より)

ラ・ジュネス!!(「La Jeuness!-ラ・ジュネスー」より)

パッサージュ(「パッサージュー硝子の空の記憶-」より)

Joyful!!(「Joyful!!」より)

ミロワール(「ミロワール」-鏡のエンドレス・ドリームズーより)

Time to Love(「ミロワール」-鏡のエンドレス・ドリームズーより)

Ⅲ・TAKARAZUKA

Colors of the wind (「ODTSSEY」より)

ロック・オン!~Santé!! (「ロック・オン」,「Santé!!」~最高級のワインをあなたに~より)

Sentimental Journey (「ODTSSEY」より)

闇が広がる(「エリザベート」より)

スペインの花(「Gran Cantante!!」より)

So In Love (「キス・ミー・ケイト」より)

ジュテーム(「ジュテーム」より)

Never Say Goodbye (「Never Say Goodbye」-ある愛の軌跡-より)

Ⅳ・MUSICAL

レベッカ(「レベッカ」より)

あんな人が(「ジギル&ハイド」より)

Corner of the Sky (「ピピン」より)

星から降る金(「モーツァルト!」より)

Ⅴ・FINALE

Only Love (「ルドルフ ザ・ラスト・キス」より)

 以上の5部構成だった.雪組在籍時の出演作のメロデーは美穂圭子の宝塚人生の節目となった作品から選んだものらしいが,メロデーのなかで私の知っている作品は「ミロワール」くらいしかなかった.しかし,たとえ知らない曲であっても美穂が歌うと引き込まれる.観客のその曲への認知や思い入れとは無関係に聴く人を夢中にさせるのは歌姫の技術なのだろう.

 美穂トート,高翔ルドルフ,凛城フランツによる闇が広がる(「エリザベート」より)は出色だった.ルドルフとフランツが台詞を交わす芝居部分から「エリザベート」の世界が出来上がっていたが,フランツが去った後にルドルフの元に現れるトートは歌も芝居も男・女の枠を超越しているようで「凄いものを見た」と感じた.

 宝塚歌劇の作品以外のミュージカル作品の曲を歌う第4部も良かった.良かっただけに,何故,これだけの力がありながらこの人は35年間も宝塚歌劇団に留まり続けているのだろうと正直な感想が浮かんだ.宝塚では上演しないようなミュージカル作品や外部の舞台に出演している彼女も見たいと思う.それと,雪組花組の「ドン・ジュアン」を見たときも思ったが,誰かの母親,祖母,妻役でなく,1人の女を演じているときの美穂圭子が私は好きだ.誰かに役割を依存せず「個」として生きているような女性をを舞台作品でもっと見てみたい.

 

ディナーのメニュー

マグロと帆立貝柱,アボカドのガトー仕立て鱒の卵添え,菜園風サラダと柑橘のクーリ

鯛と海老のムースの蒸気蒸し ほうれん草のソテー ヴェルモット酒の香り

牛フィレ肉のソテー 玉葱と林檎のコンポートとともに,レンズ豆のキッシュと彩り野菜 マデラ酒の芳香

フォンダン・ショコラ 赤い果実のソース

コーヒー

パンとバター

ディナーショーカクテル

アルコール「Dear My Home」

ノンアルコール「Wouderful Story -35th Anniversary-」

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公演期間 2024年12月18日~19日

会場 宝塚ホテル 1階「宝寿」

スタッフ

構成・演出:野口幸作,音楽:手島恭子,振付:AYAKO,美術:木戸真梨乃,衣装:大津美希,照明:平居優実,歌唱指導:高津敦子,演出助手:宗行正一郎,舞台美術製作:株式会社宝塚舞台,演奏:宝塚ニューサウンズ,制作・著作:宝塚歌劇団,主催:株式会社阪急阪神ホテルズ,協力:阪急電鉄株式会社

キャスト

【専科】美穂圭子,高翔みず希,凛城きら

(プログラムより引用)